社会起業家ストーリー

~楽しさとユーモアで地域を活性化する~ ビジュアルリテラシー 代表 イチカワマサキさん

イチカワさんの想い

イチカワさんは、大学でインダストリアルデザインを学び、都心の企業で商品企画やデザインの業務に従事していましたが、2006年に地元の山梨に戻って独立をし、ビジュアルリテラシーを起業しました。企画、デザインといった、もともとの専門に加え、より広いコンサルティング、そして地域プロデュースへと活動を拡大してきました。酒折駅前に拠点を構えたのは、3年前の2010年。

周囲に大学と高校が集まる酒折駅は、学生の街として活気づく可能性を持った場所なのに、実際には人が集える場が用意されていない、そう感じたイチカワさんは、地域プロデュースのなかで培った人脈を通して、酒折駅前を学生をはじめとする多くの人が楽しめる場所としてプロデュースしようと企んでいます。その根底にあるのは、ユーモアを第一に、楽しく地域をプロデュースしたいというイチカワさんの想いです。

イチカワさんのソーシャルビジネス

イチカワさんが「やまなしソーシャルビジネスプランコンテスト」で発表したのは、高齢者向けの「月イチオシャレ会」というプロジェクトです。日本全体が高齢化社会となるなか、お年寄りに対してのコミュニケーションサービスがますます求められています。そこで、月に1回、お年寄りがおしゃれをして街に出かけ、出会いやコミュニティをつくる場となる、「お年寄りのための街コン」を開催しようと考えたのです。中心街に人が戻れば、街の活性化につながりますし、お年寄りの住みやすい場所としてイメージアップにもつながります。車社会の山梨県では、移動手段が一番の課題となりますが、タクシー会社やバス会社、ホテル・旅館などがパートナーとなることで、新たなビジネスチャンスにつながることも考えられます。

ただ、ビジネス感覚に優れたイチカワさんは、まずは時間をかけても、プロジェクトが街や社会に求められるまで待つつもりでいます。イチカワさんは、実際にビジョンやアイデアを人に話して反応をみながら、地域のなかで、“今”、何が受け入れられるのかを判断し、今、やるべきことを決めていくそうです。例えば、今の時代のなかで、“ゆるキャラ”や“萌えキャラ”といった要素が求められれば、実際にご当地アイドルを育成し、地域プロデュースへつなげようと行動にうつしました。

社会的に意義があり、かつ自分が楽しいと思える事には、お金に関係なく動いてしまう、そんなイチカワさんの地域プロデュースは、ファンを増やし拡大を続けています。