社会起業家ストーリー

~子どもが安全に楽しく過ごせる居場所をつくる~ NPO法人こるだ 理事長 田川道啓さん

田川さんの想い

学習塾の講師を通して、子供たちと関わってきた田川さんですが、子供たちと向き合うほど、悩みが深まることがあったそうです。家庭の生活パターンや家計、またその子供の個性の違いにより、親も子も悩み苦しむ家庭が多くあります。しかし、公平性や採算性という壁に阻まれて、現状では支援を本当に必要とする家庭には手を届けられないでいると、田川さんは感じていました。少人数でも、子供ひとりひとりに向きあうことができ、子供たちが安全で楽しく過ごせる居場所が作れないかという想いから考えたのが、田川さんの「みんなのおうち」構想でした。

田川さんのビジネスプラン

現在ある公営の学童保育は、受入の学年や人数に制限があることや、時間が一般的な企業の就業時間にあわせられているため、たとえば終業が遅い親の家庭は預けることが難しいなど、そのサービスではカバーすることができない家庭が多く出てきます。

田川さんが考える、大人が創る子どもの遊び場「みんなのおうち」では、支援の手が届かない家庭にも、そのサービスを届けることを目指しています。例えば、全学年の小学生を対象にするとともに、様々な家庭の生活パターンと、既存教育機関にあわなかった不登校のこども等にも対応できるよう、営業時間は長めに設定されています。また、心の成長に欠かせない良質な体験を提供するため、野外活動や料理などもプログラムに組み込まれています。さらに、家計の状況によって、料金が半額になるなど、悩み苦しむ親子を一組でも多く救いたいという田川さんの想いにあふれたプランになっています。

とはいえ、きめ細やかなサービスを提供する居場所を作っていくためには、様々な人の協力が必要ともなります。大人にも子供にもまっすぐに向き合う田川さん。こどもの居場所をつくる活動は、試行錯誤をしながらも、他団体と連携をしながら、根を広げつつあります。